邪馬台国論争に出てくる倭の国々まとめ

作成中…

地理関連

帯方郡と倭の距離

・帯方郡から倭国までの距離は？東南に1万里？1万2000里？
・韓国と倭が接しているという記述の意味は？海を渡る？渡らない？倭の北岸ってどこ？

帯方郡から倭国までの距離は？

楽浪海中有倭人、分為百餘國、以歳時來献見云。

如淳曰：如墨委面、在帶方東南萬里。
（…中略…）
師古曰：（…中略…）魏略云倭在帶方東南大海中、依山島為國、度海千里、復有國、皆倭種。

『漢書』巻28『地理志』「燕地条」

魏略曰 従帶方至倭 循海岸水行 暦韓國到拘耶韓国七十餘里 始度一海 千餘里至對馬國

『翰苑』巻30 蕃夷部

魏略曰 女王之南 又有狗奴國 女男子爲王 其官曰拘右智卑狗 不屬女王也 自帶方至女國万二千餘里

『翰苑』巻30 蕃夷部

倭在韓東南大海中、依山㠀為居、凡百餘國。

（…中略…）

楽浪郡徼去其國萬二千里

『後漢書』「東夷列伝」倭条

永初元年十月、倭國遣使奉獻、｛倭國去樂浪萬二千里、男子黥面文身、以其文左右大小別尊卑之差、見本傳、｝　○按ズルニ、釋日本紀引ク所ノ後漢書ニハ、倭國ヲ倭面國ニ作レリ、

『古事類苑』「地部」巻1 地總載 倭國 〔後漢書　五安帝〕

倭者自云太伯之後俗皆文身
去帶方萬二千餘里大抵在會稽之東相去絕遠
從帶方至倭循海水行歷韓國乍東乍南七千餘里始度一海
海闊千餘里

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

後漢書曰 倭在朝東南大海中 （…中略…） 樂浪郡徼去其國万二千里 甚地大較在會稽東 与珠雀儋耳相近

『翰苑』巻第30

其王理邪馬臺國 或云邪摩堆。
去遼東萬二千里 在百濟 新羅東南 其國界東西五月行 南北三月行 各至於海 大較在會稽 閩川之東 亦與朱崖 儋耳相近。

『通典』卷第185 邊防第1 東夷上 倭条

倭人在帯方東南大海之中、依山島為国邑。旧百余国。
（…中略…）
其北岸狗邪韓国。七千余里。

始度一海千余里至対海国。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

韓国と倭が接しているという記述の意味は？

韓有三種。一曰馬韓二曰辰韓三曰弁辰。
馬韓在西有五十四國。其北與楽浪南與倭接。
（…中略…）
弁辰在辰韓之南亦十有二國。其南亦與倭接。

『後漢書』「東夷列伝」韓条

馬韓在西、五十有四國、其北與樂浪、南與倭接。（…中略…）
弁辰在辰韓之南、亦十有二國、其南亦與倭接。（…中略…）
其南界近倭、亦有文身者。

『通典』卷第185 邊防第1 東夷上 馬韓条

是後倭韓遂屬帶方。

『通典』卷第185 邊防第1 東夷上 弁辰条

会稽東治か会稽東冶か

邪馬台国の位置が、魏志倭人伝では「会稽東治（かいけいとうち）」、後漢書では「会稽東冶（かいけいとうや）」と記述されている。

国関連

対海(対馬)国

”つしま”と読めそうな字が多数あるが、同じ場所を指している？

国名	史料
對海國（対海国）	魏志倭人伝（紹熙本）
對馬國（対馬国）	魏志倭人伝（紹興本） 翰苑（魏略からの引用） 古事類苑（〔日本書紀　二十九天武〕からの引用）
都斯麻國	隋書
津島	古事記
「対馬洲」「対馬嶋」「津嶋」と一定しない	日本書紀
※対馬がなく韓国からいきなり一支國に行く	梁書

一大(一支,壱岐)国

似た漢字の国が多数あるが、同じ場所を指している？

又南渡一海千余里、名曰瀚海。至一大国。官亦曰卑狗、副曰卑奴母離。方可三百里。多竹木叢林、有三千許家。差有田地、耕田猶不足食、亦南北巿糴。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

魏略曰（…中略…）南度海至一支國 置官至對同 地方三百里

『翰苑』巻30 蕃夷部

海闊千餘里、名瀚海、至一支國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

末盧国

又渡一海千余里、至末盧国。有四千餘戸。濱山海居。草木茂盛、行不見前人。好捕魚鰒、水無深浅皆沈没取之。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又度一海千餘里、名未盧國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

又度海千餘里 至末盧國

『翰苑』巻30 蕃夷部

伊都国

東南陸行五百里、到伊都国。官曰爾支、副曰泄謨觚、柄渠觚。有千余戸。世有王皆統属女王国。郡使往来常所駐。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又東南陸行五百里、至伊都國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

東南五東里 到伊都國

『翰苑』巻30 蕃夷部

廣志曰 倭國東南陸行五百里 到伊都國

『翰苑』巻30 蕃夷部

奴国

東南至奴国、百里。官曰兕馬觚、副曰卑奴母離。有二万余戸。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又東南行百里、至奴國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

不弥国

東行至不弥国、百里。官曰多模、副曰卑奴母離、有千余家。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又東行百里、至不彌國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

投馬国

南至投馬国、水行二十日。官曰弥弥、副曰弥弥那利、可五万余戸。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又南水行二十日、至投馬國

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

邪馬壹国(邪馬臺国)

南至邪馬壹国、女王之所都。水行十日、陸行一月。官有伊支馬、次曰弥馬升、次曰弥馬獲支、次曰奴佳鞮、可七万余戸。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

又南水行十日、陸行一月日、至祁馬臺國、即倭王所居

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

憑山負海鎮馬臺以建都

『翰苑』巻30 蕃夷部

女王国以北の国と、南の狗奴国

自女王国以北、其戸数道里可得略載、其余旁国遠絕不可得詳。次有斯馬国、次有已百支国、次有伊邪国、次有都支国、次有弥奴国、次有好古都国、次有不呼国、次有姐奴国、次有対蘇国、次有蘇奴国、次有呼邑国、次有華奴蘇奴国、次有鬼国、次有為吾国、次有鬼奴国、次有邪馬国、次有躬臣国、次有巴利国、次有支惟国、次有烏奴国、次有奴国、此女王境界所盡。

其南有狗奴国、男子為王。其官有狗古智卑狗、不属女王。
自郡至女王国万二千余里。

『三国志 魏書』 巻30 「東夷伝」

木下又曰、黑齒國、君子國、扶桑國皆日本也

『古事類苑』「地部」巻1 地總載 倭國 〔秦山集　雜著十七甲乙錄三〕

侏儒国・黒歯国・裸国

其南有侏儒國，人長三四尺。又南黑齒國、裸國，去倭四千餘里，船行可一年至。
又西南萬里有海人，身黑眼白，裸而醜。其肉美，行者或射而食之。

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

又千餘里至侏儒國，人長三四尺。自侏儒東南行船行一年至裸國、黑齒國，使驛所傳，極於此矣。

『通典』卷第185 邊防第1 東夷上 倭条

文身国

文身國，在倭國東北七千餘里。人體有文如獸，其額上有三文，文直者貴，文小者賤。土俗歡樂，物豊而賤，行客不齎糧。有屋宇，無城郭。其王所居，飾以金銀珍麗。繞屋為緌，廣一丈，實以水銀，雨則流于水銀之上。市用珍寶。犯輕罪者則鞭杖；犯死罪則置猛獸食之，有枉則猛獸避而不食，經宿則赦之。

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎

大漢国

大漢國，在文身國東五千餘里。無兵戈，不攻戰。風俗並與文身國同而言語異。

『梁書』卷第54 列傳第48 諸夷 海南諸國 東夷 西北諸戎